2023 年 79 巻 24 号 論文ID: 23-24003
本研究は,住宅建築現場で働く新人作業者に,360度映像を用いたハザード知覚訓練を実施することを想定し,メディア形態と提示装置の4つの組み合わせ(全天球静止画・ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)条件,全天球動画・HMD条件,全天球静止画・PCモニタ条件,2D静止画・PCモニタ条件)の訓練効果と主観的負担を比較した.訓練効果について危険情報の内容の記憶課題はどの実験条件も成績が良かったが,ハザード位置の記憶課題は2D静止画・PCモニタ条件の成績が悪くメンタルワークロードも高かった.臨場感は実験条件により異なったが臨場感と危険感に有意相関はなかった.映像酔いはどの実験条件も評価値が低かった.以上から訓練状況別に360度映像を用いたハザード知覚訓練の効果的なメディア形態と提示装置の条件を提案した.