2023 年 79 巻 24 号 論文ID: 23-24018
2023年3月に富士山避難基本計画が公表された.この避難計画は,従来の避難計画を全面的に見直したものであり,富士山噴火時の避難の移動手段として徒歩を組み込んだ避難の考え方が示された.避難計画の見直しによって,富士山山麓周辺に居住する住民の富士山噴火時の避難の考え方が一変し,今後は地域ごとの富士山噴火時の避難態勢構築が求められる.本稿では,リスクコミュニケーション手法であるCAUSEモデルに基づき,富士山噴火に伴う溶岩流からの避難態勢構築ワークショップを設計し,富士北麓地域の住民を対象に実施した結果を報告した.さらに,本ワークショップの実施結果から,地域主体の火山避難態勢構築のための知見をまとめた.