2023 年 79 巻 25 号 論文ID: 23-25035
浄化槽においては大腸菌群及び大腸菌が二次処理工程において除去されることが明らかとなっているが,小型浄化槽の二次処理工程では内部構造が大きく異なることから,構造別除去特性と生物膜との関係について詳細な解析を行った.その結果,大腸菌群数及び大腸菌数は二次処理好気部SSと相関があることが分かった.また,二次処理好気部ではSSならびに大腸菌群及び大腸菌の除去が同時並行的に行われていることが示唆された.また,二次処理固液分離部が生物濾過槽の場合,SSに吸着していない大腸菌群及び大腸菌が存在していると考えられた.なお,大腸菌群及び大腸菌除去には生物膜が大きな役割を持つが,生物膜内では大腸菌群及び大腸菌は保持されることから,生物膜及びSSを流出させないことが重要であることが明らかとなった.