土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
論文
宅地の既設空石積擁壁の耐震補強方法に関する遠心場傾斜土槽実験
佐野 和弥伊藤 和也田中 剛末政 直晃小浪 岳治谷山 慎吾
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2023 年 79 巻 3 号 論文ID: 22-00204

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抄録

 宅地擁壁の中でも空石積擁壁の地震時被害が多く発生している.しかし,施工性や施工費に課題があり宅地擁壁に最適な補強方法は存在しない.そこで,擁壁の天端から縦方向に斜杭を打設し,補強材頭部と擁壁上部を一体化させ,補強材の役割の一部を既存擁壁に担わせる簡易な耐震補強法を考えた.本研究では,その補強方法について,補強領域の大きさや補強材設置角度が補強効果に与える影響を検討するため,遠心場での傾斜土槽実験を実施した.その結果,斜杭と擁壁の距離を短くした補強擁壁では補強材に大きな引張方向の軸力が,擁壁には圧縮力が働くことで高い補強効果が見られた.一方,斜杭と擁壁の距離を長くした補強擁壁では補強領域内で崩壊が発生する内部崩壊の発生が見られた.

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© 2023 土木学会
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