土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
ノート
スルースゲートの開度設定方法の検討
羽田野 袈裟義荒尾 慎司野田 誠
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 79 巻 3 号 論文ID: 22-00285

詳細
抄録

 従来のゲートの水理検討は流量評価を第一とし,ゲート操作のための直接情報を与える研究は殆ど皆無である.本研究は,ゲート操作ではゲート開度の陽形式表現が最も重要な情報と考え,スルースゲートからの自由流出と潜り流出の両方について,水理学の基礎式に基づき,所定の流量とゲート上(下)流の水深に応じてゲート開度を決定する方法を提案している.自由流出について,運動量の定理に基づきゲート上流水深と所望の単位幅流量(限界水深)に見合うゲート開度を求める式を導いた.潜り流出については,Henryの取扱い方法から出発し,ゲート上・下流水深と所望の単位幅流量に見合うゲート開度を求める4次方程式を導いた.得られたゲート開度の計算結果は広範囲の室内実験の結果を良好に再現した.

著者関連情報
© 2023 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top