2023 年 79 巻 3 号 論文ID: A1-0719
本研究では主径間650mを3径間有する多径間連続斜張橋の主桁構造に対して,一般的な扁平六角形鋼床版1箱桁断面に代わり,維持管理性および構造合理性の向上を目的に超高強度繊維補強コンクリート床版を用いた端2箱桁断面を提案する.提案構造に対して,耐荷性能の観点から,扁平六角形鋼床版1箱桁との構造特性の違いを明らかにし実現性を確認する.さらに,端2箱桁を実現する上での重要な課題である耐風安定性について,風洞試験による種々の断面形状に対する検討を行い,実現性のある主桁形状を提案する.活荷重および温度荷重に対して構造設計し,扁平六角形鋼床版1箱桁との比較により,提案構造は実現可能な構造であることを確認した.また,バネ支持試験およびフラッター解析により,フラッターに対する耐風安定性を確保可能な断面形状を示した.