2023 年 79 巻 5 号 論文ID: 22-00286
都市部を中心に狭隘地での急速施工が要求される橋脚基礎工事があるが,従来工法では専有面積や工期の観点から実施が難しいのが現状である.そこで,上記に適した立坑構築技術の鋼製セグメント圧入工法を活用し,RC基礎を構築する工法に着目した.しかし,既存の鋼製セグメントは仮設地下壁の部材で,別途内部に本設RC基礎を構築する必要があり,合理化が望まれる構造であった.筆者らは,鋼製セグメントを本設RC基礎の本体構造における帯筋部材として評価する合成構造基礎とし,狭隘地に急速に基礎を構築する合理的な工法を提案した.本研究では,構造の具体化および,従来工法のRC基礎と提案した合成構造基礎の縮尺試験体を用いた正負交番載荷試験を実施し,従来工法のRC基礎と同等以上の耐震性能を合成構造基礎が有することを確認した.