2024 年 80 巻 1 号 論文ID: 23-00132
筆者らは,脈状の改良体を液状化地盤内に割裂注入し,改良体周辺地盤を密実化させることで液状化抵抗を増大させ,効率的に液状化程度を低減する脈状地盤改良工法を開発している.本稿では,自然地盤に対する適用性や改良効果の持続性を検討するために実施した施工試験について報告する.試験の結果,自然地盤に対しても小さな隆起量で所定量を注入可能であること,換算N値の計測から十分な改良効果が得られていることを確認した.また,細粒分含有率が高い地盤の場合,十分な改良が実施できた場合でも換算N値では改良効果を過小評価する可能性があるが,密度検層,孔内水平載荷試験を用いることで合理的に改良効果を評価できる可能性があることも確認した.なお,これらの試験を1~2年後にも実施し,改良効果が維持できていることを示した.