2024 年 80 巻 11 号 論文ID: 24-00159
交通調査の外出率の低下が報告されているが,回答負荷を避けるため実際には外出したが外出していないと回答するsoft refusalが発生している可能性がある.本研究は,まず2021年全国都市交通特性調査と社会生活基本調査,2022年の内閣府実施調査による外出率を比較し,その可能性を確認する.さらに大学生を対象に歩数回答依頼を含む休日外出行動調査を実施し,soft refusalの実態把握と,歩数回答がその抑止につながるかの検証を行う.外出有無のみを尋ねる調査形式と比べ,外出時の詳細な交通行動を尋ねる形式では外出率が低下し,非外出回答者に高い歩数の報告があり,soft refusalの存在が確認された.また歩数未回答者の外出率は低い傾向にあり,提案した抑止法の有効性が示唆された.