2024 年 80 巻 12 号 論文ID: 24-00120
本研究は,本線の重量計測装置で収集した大型自動車の荷重データから荷重実態を把握した上で,鋼部材の溶接部を主な対象として累積疲労損傷度を推定する方法を検討したものである.具体的には,まず概ね1年間,26断面の本線の荷重データから荷重実態を調査した.次に,荷重データと定常的にデータを蓄積している交通データとの関係性を整理し,交通データのみから累積疲労損傷度を推定する方法を提案した.また,その推定方法の精度を荷重データから直接求まる累積疲労損傷度と比較することで確認した.最後に,鋼床版のUリブ・デッキプレート溶接部の疲労き裂や,都市間高速道路のネットワーク全体を対象にしたケーススタディにより推定方法の有用性を示した.