土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(地震工学)論文
確率論的津波ハザード評価手法を用いた和歌山県沿岸の橋梁上部構造の流出リスク評価
友田 諒也安田 誠宏幸左 賢二田中 晴規
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2024 年 80 巻 13 号 論文ID: 23-13092

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抄録

 南海トラフ沿岸道路における橋梁の効率的な津波対策には,上部構造の流出リスク評価が必要である.本研究では,ランダムフェーズ津波モデルとcoRaL法を組み合わせた確率論的ハザード評価手法を用いて,津波ハザード予測における不確定性を考慮した橋梁上部構造の流出リスクの確率評価を行う.南海トラフ巨大地震津波に対する和歌山県沿岸道路の橋梁の安全性照査の結果,三連動地震モデルの場合と比べて,作用力・耐力比について16橋で流出リスクが高まることがわかった.確率論的津波ハザード評価手法を用いて,橋梁上部構造の流出リスクを再現期間によって定量的に評価することができた.また,対策工としての支承アンカーや変位制限構造による効果は,限界津波高および再現期間の増加により表現することができた.

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