2024 年 80 巻 13 号 論文ID: 23-13099
防災教育の効果検証は介入直後の効果のみならず,その持続性にまで踏み込んだ検討が必要である.専門家が学校に出向いて実施する防災出前授業では,子どもたちの防災意識が一時的には上昇するものの,必ずしも持続しないことが明らかとなっている.そこで本研究では,科学館での親子を対象とするワークショップを実践し,参加者の防災意識が持続するのかどうかを検証した.その結果,ワークショップによって上昇した参加者の防災意識は1か月後も持続していることが明らかとなった.学習者の防災意識の持続性に関与する要因として,科学館という学校とは異なる学習環境の存在と,家族と一緒に学習することの重要性が示唆された.