2024 年 80 巻 13 号 論文ID: 23-13108
地震動予測モデルは,地震規模や震源距離などをパラメータとして,地震動強さを評価するものである.本研究では,ノンパラメトリック手法の一つであるガウス過程回帰を用いて,地表最大加速度の予測モデルを構築した.解析例として,K-NETとKiK-netで観測された2016年熊本地震群のデータセットを適用した.その結果,震源近傍においてガウス過程回帰モデルによる推定値は観測値に対して過小評価となることが分かった.この原因は,遠地と近地とで観測値の密度が異なるためと考えられる.そこで,本論では震源近傍における地震動特性を反映しやすくするカーネル関数を提案した.提案手法を用いることにより,近地から遠地までの全域で地震動強さの分布を再現できる地震動予測モデルの構築が可能となった.