2024 年 80 巻 13 号 論文ID: 23-13111
道路橋示方書の耐震設計では,レベル2地震動を考慮する設計状況において,橋の非線形応答が大きくなる位相特性を持つ加速度波形を複数選択し,少なくとも3波形入力することで,地震動が持つ様々な位相特性の影響を考慮している.しかし,あらゆる構造に対して3波形程度を入力することで,位相特性が構造に及ぼす影響を考慮できるとみなしてよいかは必ずしも明確となっていない.本研究では3種類の1橋脚モデルを例に,その適切な入力地震動数について検討した.その結果,本研究で対象とした3種類の1橋脚モデルでは,少なくとも3波形入力し,その応答値の平均値を求めることで,20波程度の多数の波を入力した場合と同等の信頼性の応答値が得られることを統計的に確認した.