土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(地震工学)論文
杭と土のうを併用した既設橋脚の基礎補強に関する解析的研究
土井 達也月岡 桂吾井澤 淳
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 80 巻 13 号 論文ID: 23-13113

詳細
抄録

 著者らは橋脚を対象に,く体や杭断面の合理化のために,杭と土のうを併用した基礎を提案している.これまで新設構造物に対して,杭基礎に対する優位性を実験的,解析的に検証してきた.本検討では,杭と土のうを併用した既設構造物の基礎補強工法として,増し杭と土のうと増しフーチングを併用する手法を提案し,補強前構造物,通常の増し杭補強とともに試算した.その結果,補強後の基礎幅8m程度,橋脚高さ10m~15m程度,上部工荷重6730kNの条件では,杭と土のうを併用した基礎補強では通常の増し杭補強に比べて,慣性力作用を過度に増加させずにフーチングの回転角を抑制できることがわかった.本工法は既設の木杭基礎や直接基礎など,補強前の状態でく体の慣性力負担が小さい基礎の補強法として活用できる可能性がある.

著者関連情報
© 2024 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top