2024 年 80 巻 14 号 論文ID: 23-14012
ボルトを用いたFRP部材のせん断支圧接合は,FRP部材の材料強度に依存し,それらは鋼部材の強度に比べて小さいことが課題となる.著者らは,GFRP板と鋼板の接合部の耐力を向上させる方法として,鋼板接着で補強されたGFRP板の鋼添接板による高力ボルト摩擦接合を提案した.本研究は,ハイブリッドFRP桁と鋼桁の接合部に,提案した接合方法を適用した試験体を作製し,桁接合部の耐荷性能・疲労耐久性を実験的に検討したものである.その結果,静的試験からは,桁接合部の破壊はすべりまたははく離が先行すること,ボルト軸力の導入率が小さいほどすべり破壊が先行することなどがわかった.疲労試験からは,小さい荷重範囲において接着接合部に初期はく離が生じるものの,初期はく離は桁接合部の疲労耐久性に影響はないことが確かめられた.