2024 年 80 巻 14 号 論文ID: 23-14013
補修方法における当て板接着工法では,繰返し荷重を受ける際のはく離の疲労強度に関するデータは少なく,疲労設計法が確立されていない.本研究では,真空含浸工法(VaRTM)を応用して,鋼板またはCFRPを鋼板に接着した試験体を作製し,それらの試験体に繰返し曲げ荷重を加え,はく離とその進展を計測した.その結果,静的試験時のはく離時の主応力に対する疲労試験時の主応力範囲の比で整理することで,S-N線図を作成し,それらから曲げ疲労特性を精度よく評価できることを示した.また,過去に実施された曲げ載荷および引張載荷による実験と比較を行った結果,類似の傾向が見られたことから,接着剤,作用力および接着方法によらない評価ができる可能性が示唆された.