2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15007
太陽の日周運動に伴う建物の日陰の移動が,ロングレールの中立温度 (レール軸ひずみ) の分布特性に及ぼす影響について検討した.まず,軌道のふく進に対し剛塑性と線形弾性の 2 つの簡易モデルを適用し,日陰移動に対する定常解を導出し,中立温度の基本的挙動について調べた.さらに,レール温度解析と軌道ふく進解析とを組み合わせた数値解法を用い,道床縦抵抗力の非弾性履歴特性やレールの熱方程式における非線形項,一年間にわたる日周運動などが中立温度やレール軸力分布に及ぼす影響などについて検討した.その結果,日陰移動が中立温度評価において重要であることがわかった.