2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15019
ステンレス製パネルタンクは,地震動による様々な種類の被害が報告されている.これらの原因の一つとして,タンク構造体の振動が主体となるバルジング振動に起因する被害が挙げられる.バルジング振動は,短周期の地震動によって構造と流体が相互作用する連成振動である.しかし,バルジング振動に関する設計基準は無く,これらの基準を確立する必要がある.本論文では,既存 SUS タンクにおけるバルジング固有振動数での正弦波による時刻歴応答解析を行う.この解析結果により von Mises 応力に関しては,長辺壁面の中央部や平板で構成される斜め補強材溶接部の隅角部で大きく応力集中が予想され,溶接部の剥離や斜め補強材の座屈の可能性があると考えられる.