2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15033
応力集中は疲労性能に大きな影響を与えることが知られており,実測形状に対する FEM 解析により,任意形状の応力集中を評価可能であるが,相応の計算コストを要する.そこで,応力集中係数を簡易に推定可能な評価式が提案されている.しかし,入力情報となる形状パラメータの取得には,多くの労力を要すとともに,一意に決定可能な手法は提案されていない.本研究では,溶接継手の形状と応力集中係数を自動評価可能なシステムの確立を目的として,止端半径・フランク角・余盛高さ・余盛幅・角変形・目違い等の形状パラメータを一意に自動決定し,応力集中係数まで算出可能な手法を開発した.理想形状に対する検証により,予測精度が高いことを確認した.実継手に対する手動計測結果との比較では,止端半径をより小さめに,すなわち安全側に評価することを確認した.