2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15043
F 型支柱で支持された道路情報板の異常を加速度計測により検知することを目的として,振動特性と損傷に対する感度を調べた.まず,土工部 3 箇所と橋梁部 3 箇所を選定し,供用中の情報板の加速度を計測した.そして,共通する 4 つの振動モードの存在を確認し,ERA 法により解析した場合の精度・検出率を定量化した.また,同じ構造形式であっても,設置環境により固有振動数が異なることも確認した.次に,土工部を想定して実規模の損傷実験を行い,損傷に伴う固有振動数の変化量を確認した.さらに,境界条件に回転バネを導入した数値モデルを構築し,橋梁部で発生する固有振動数の変化量を推定した.損傷に伴う固有振動数の変化量と計測精度を比較した結果,安定した環境条件のもとであれば,加速度計測により引張側アンカーボルトの軸力喪失を検知できる可能性が高いことを示した.