2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15046
都市ガスの輸送ラインである高圧ガス導管の耐震設計は,過去の大地震の都度その妥当性が確認されている実績のある手法ではあるが,地域の断層や地盤情報,地震に関する最新知見などを考慮することができず,高度化の余地がある.本論では,いわゆるガス導管の耐震性評価における性能規定化を目指し,その具体的な手法を提案する.提案手法は,従来はその計算量の大きさから不可能であった,地盤の三次元非線形有限要素解析及び配管系解析を用いることで,時間領域で想定地震動に対して精緻に管ひずみを解析できる.これにより,地域特有の地震や地盤の情報,さらに当該設備の維持管理の最新情報を取り入れて耐震性を評価することができ,将来の維持管理や対策の最適化を実現することができる.