2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15047
車上計測された軌道変位に基づく鉄道橋の桁たわみ推定法の開発が進められているが,在来線で多く利用される 2 台車検測車において物理的に混入する隣接橋りょうの桁たわみの影響は未解明であり,単一橋りょうを対象とした既存手法の適用が困難であった.本研究では,2 台車検測車の軌道変位を利用した桁たわみ推定法確立のための基礎的検討として,有限要素法による構造物の移動荷重解析と軌道検測における信号処理で構成される桁たわみ-軌道変位変換プログラムを構築した.解析結果として得られる 2 つの軌道変位から,形状成分が除去され,構造物の変形成分のみを動的軌道変位差分として出力できる.支間長 13m の桁が連続する区間を対象に試計算を実施し,隣接橋りょうの影響について考察した.