2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16025
河川の計画と設計においては,洪水中の流量と構造物が洪水時に安定を維持できる基礎深度を把握する必要がある.このためには洪水中の河床変動の把握が不可欠であるが,洪水中の流水中の現象の定量化手法は未確立である.洪水時の濁水下でさえ入手可能な水理量として表面流速がある.マスコン法を応用すれば理論上は,既知の表面流速から流水深を算定でき,流水深を介した河床の把握が可能となる.そこで本研究では,流速の平面分布を入力値として,連続式に基づき平面二次元の流水深を推定する手法を構築した.その結果,数値実験で,砂州を模した流れにおいて流水深の分布を推定でき,重み係数を空間の変数として推定すると推定精度が向上することを確認した.また,入力値のノイズは流水深の振幅と同程度まで許容されることを示した.