2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16048
本研究では,河川堤防の裏法面および裏法尻にかご系構造物を配置した場合の越水に対する基礎的な性能を把握することを目的に,堤防越流時のかご系構造物周りの流れ,かごの変状および中詰石の挙動を実験的に検討したものである.先ず,大型水平開水路を用いてかご厚さと中詰石の粒径および越流水深を変化させた実験を行い,かご層内外の流れを検証した.次に,かご構造物に対し,越流前後のかごの変状および中詰石の移動状況を3Dスキャナにより計測した.その結果,越流水深に関わらず,いずれのケースもかご厚さの4割以深から流速が一定となり,かご表面の流速に対して流速が低減されていることが明らかとなった.さらに,越流前後において,かごの変状や中詰石の大幅な移動は認められず,十分な耐侵食性を有していることを確認した.