2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16053
軟岩あるいは土丹と呼ばれる侵食が生じやすい岩盤層が露出した河川の管理に資するため,これまで様々な研究が実施されているが,混合粒径砂礫が軟岩床上を通過する際の侵食速度は調査されていない.本研究では,混合粒径砂礫が軟岩床を侵食する際の移動・堆積状況を観察するため,モルタルを施工した疑似的軟岩水路上で,混合粒径砂礫を供給する模型実験を実施した.その結果,混合砂礫が軟岩床上を流下する場合は,平均粒径のみではなく軟岩床の凹凸と堆積する細粒分の大小関係や流砂量,軟岩侵食に大きく寄与する比較的大きな砂礫の流砂量など,軟岩侵食量を推定するにあたっては,平均粒径以外の要素と軟岩侵食速度の関係も明らかにする必要がある可能性が示唆された.