土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(水工学)論文
同粒径で比重の異なる二種類の粒子を用いた流砂の運動特性に関する実験的検討
関根 正人稗田 明哲帆足 拓海
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16054

詳細
抄録

 本論文では流砂がすべて河床を起源とすることを考慮して,掃流砂と浮遊砂の濃度分布と流速分布に着目してその連続性を確認することを目的とする.また,解析技術の向上により精緻に粒子の追跡・カウントが可能となり,鉛直分級を可視化するだけでなく流砂量を濃度分布から直接算出することができた.その結果,浮遊砂と掃流砂が下降流に乗って大きな速度で移動するという同様の運動特性が確認され,改めて浮遊砂と掃流砂の分類の稀薄性が示された.また,同粒径で遮蔽が生じない二粒子であるが,明確な鉛直分級が確認され,給砂粒子が河床の交換にどの程度寄与するか明らかとなった.さらに,濃度分布と流速の実験値により河床面上の掃流砂の運動特性を粒子の存在比で表すことができた.

著者関連情報
© 2024 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top