2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16062
近年,記録的な豪雨や都市化の進展により,全国各地で内水氾濫が発生している.浸水時の避難にハザードマップが用いられることがあるが,従来のハザードマップでは一般的に浸水深だけが掲載されている.水中歩行を伴う避難行動では,流速や避難距離の影響も受けることが考えられる.本研究では,浸水深以外も含めた指標で内水氾濫時の避難困難度を定義した.さらに,避難困難度を対象地区に適用して可視化し評価することを目的とした.そして,浸水シミュレーションを複数の確率年を対象として行った.避難困難度は水中歩行と避難距離と道路に関するパラメータを用いて算出した.その結果,避難場所付近で避難困難度が小さく,避難場所から離れた箇所で避難困難度が大きくなった.また,新たな避難困難箇所の可視化の可能性が示唆された.