土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(水工学)論文
常願寺川扇状地における河道物理特性の長期変化の把握と近年の流量規模への応答
山本 悠賀久加 朋子藤田 正治
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2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16085

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抄録

 常願寺川河川区間における近年の河道物理特性の把握を目的とし,経年的な現地データの整理と非定常二次元河床変動解析を行った.結果,現地データより2000年代前半以降も10kより上流域では河床の侵食傾向が,10kより下流域では堆積傾向が続いていた.一方,粒度分布は大きな変化がなく,2000年前半と同じく6k付近を境に代表粒径が大きく粗粒化していた.数値解析によると,常願寺川では平均年最大流量の700m3/s規模ではみお筋が移動し難く,上流域では河床低下と粗粒化が進むことが示された.一方,下流域では流量規模に応じた掃流砂の移動限界が大きく異なった.常願寺川の河床材料構成を支配する流量は,平均年最大出水ではなく1500m3/s規模であると推察された.

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