2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16085
常願寺川河川区間における近年の河道物理特性の把握を目的とし,経年的な現地データの整理と非定常二次元河床変動解析を行った.結果,現地データより2000年代前半以降も10kより上流域では河床の侵食傾向が,10kより下流域では堆積傾向が続いていた.一方,粒度分布は大きな変化がなく,2000年前半と同じく6k付近を境に代表粒径が大きく粗粒化していた.数値解析によると,常願寺川では平均年最大流量の700m3/s規模ではみお筋が移動し難く,上流域では河床低下と粗粒化が進むことが示された.一方,下流域では流量規模に応じた掃流砂の移動限界が大きく異なった.常願寺川の河床材料構成を支配する流量は,平均年最大出水ではなく1500m3/s規模であると推察された.