2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16125
アンサンブル気候変動データを用いた大規模な洪水解析を行うような場合には,広域で高速に解析できる水文モデルが必要になる.そのため,本研究では1km解像度のマクロスケールで降雨流出と洪水氾濫を一体的に解析する1K-RRIモデルを開発した.1K-RRIモデルは150m解像度の全国版RRIモデルをアップスケーリングすることで構築した.RRIモデルをマクロスケールに適用すると,山地と平野という流出形態の異なる土地利用を同一グリッドセル内で区別できないといった問題が生じる.そのため,山地と平野の平均勾配と面積を計算し,それぞれの流出を考慮できるように改良した.1K-RRIモデルと150m解像度モデルを比較したところ,1K-RRIモデルは150m解像度モデルの流出応答を再現できることが分かった.