2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16130
本研究では,高解像度の地理空間データセットを分析し,河川堤防を広域で容易に自動抽出する手法を開発した.具体的には,Google Earth Engineに搭載された高解像度DEMをAPIでPythonプログラムと連携して分析するシステムを構築して4つの地形パラメータ(相対標高,傾斜,側面差,曲率)を算出し,それらを組み合わせることで河川堤防を抽出する手法を開発した.鬼怒川とミシシッピ川流域では,本手法で得られた堤防延長は検証データに対して75%以上,かつ堤防高さも平均誤差1m以内での抽出が確認された.また,都市部の連続堤防や霞堤といった特徴的な地形や,解像度10m程度のDEMであれば中規模以上の河川で堤防抽出が可能であった.