2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16128
地球規模の気候変化により,極端豪雨の増加が懸念されている中で,短時間の非常に強い雨による災害を受けているところがある.土壌は植生や地表面の状態等により,固有の浸透能を有しており,降雨強度が十分大きい領域では浸透強度は浸透能にほぼ等しくなり,浸透強度が浸透能で一定となるので,降雨強度と浸透能の差分が直接流出すると考えられている.本研究は,全国複数地点において現地散水試験を行い,安定浸透強度と降雨強度の関係や浸透能の推定精度を調べたものであり,tanh型の安定浸透強度式が試験データにかかわらず浸透能の推定において優れていることを示している.あわせて米国で用いられているカーブナンバー法との関係についても紹介する.