2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16170
洪水流の数値解析において局所的な影響を取り込んで詳細な計算を行おうとするほど,計算時間を要する問題がある.本研究では,空間解像度に必要な時間間隔と洪水流解析のアウトプットに必要な時間間隔の差に着目し,この部分の省略による計算の高速化を検討した.まず,上流に与える流量ハイドログラフを時間的に縮める影響を検討し,短縮率を大きくするほど洪水到達時間が遅れ,それに伴って徐々にピーク水深が減少することを示した.そして,水深の時間発展について緩やかに変化する平均成分のみを加速させる平均成分加速法を提案し,短縮した流量ハイドログラフにおいても通常の計算と同様の結果が得られ,高速計算ができることを示した.一方,短縮率を大きくするほど平均成分の寄与が顕著になり,それによる振動が発生する課題があることを示した.