土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海岸工学)論文
令和6年能登半島地震津波による能登半島東岸域の津波浸水・被害調査
有田 守楳田 真也二宮 順一郷右近 英臣熊谷 健蔵越村 俊一由比 政年
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2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17087

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抄録

 能登半島東岸を対象に,令和6年能登半島地震津波による浸水・被害状況に関する現地調査を行い,沿岸方向約70kmの範囲で計91点の津波痕跡を観測し,被害の特徴を検討した.日本海・富山湾に直面する地域では,津波痕跡高は,珠洲市寺家,飯田,春日野・鵜飼地区および能登町白丸地区に複数の極大値が点在する形で振動的に変化し,最大5.6~2.1m程度の痕跡高が観測された.また,春日野・鵜飼地区および能登町布浦地区で陸側奥深くまでの浸水が見られた.一方,内湾に位置する穴水町,七尾市では,津波痕跡高は2.5~1.0m程度の低い値となった.観測された浸水範囲は石川県の事前想定と比較して限定的であり,浸水範囲や建物被害の程度は後背地の地形分類や海岸防護施設の設置状況と良く対応した.

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