2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17107
気候変動の緩和策として,SAV(沈水性植物)などの光合成活動によって大気中の二酸化炭素を沿岸海域に取り込み貯蔵するブルーカーボンが注目されている.しかしながら,SAVは流れによってたわむことで複雑な流況を作り出し,炭素吸収量や物質輸送の正確な評価を困難にしている.これに対して,SAVと流れの相互作用を検討した研究事例が存在するが,SAVと流れの連成が不十分であることや,SAVの分岐(枝分かれ)を考慮していないなどの課題が残されている.そこで,本研究では,分岐を考慮したSAVと流れの連成計算を可能とするより汎用性の高いモデルを構築した.さらに,実験水路に水草模型をパッチ状に設置し,一様流を与える実験を行った結果,有効水草高さおよびSAVパッチ周辺の流速について良好な再現性を有することが示された.