2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17167
沿岸域の海底地形の計測方法として,音響測深に加え,水中透過性の高いグリーンレーザーによる光測距(LiDAR)が近年注目されている.特にスキャナが小型化され,UAVに搭載されるようになったことで,様々なシーンでの利活用が期待されている.しかしながら,UAVからLiDARによって沿岸域の海底地形を計測するうえでの技術的な指針が存在せず,ナローマルチビーム測深や航空レーザー測深などの計測方法との違いが十分に理解されていない.そこで本論文では,効率・測深性能・点群密度・フットプリントの観点から各計測方法の特徴を整理するとともに,LiDARによる実際の計測事例をもとに,地形計測における留意事項や有用な情報を整理した.高精度な沿岸域の地形データ取得によって,地形変化への理解も大きく進むことが期待される.