2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17174
高潮発生時の越波・越流による浸水対策工の一つに二重パラペット護岸がある.著者らはこれまで,二重パラペット護岸の対策効果の定量化のため,不規則波を対象とした水理実験および数値解析による越波流量推定手法について検討したが,越波流量の数値解析結果は実験に比べて1オーダー程度の過小評価となった.そこで本研究では,その要因の解明と精度向上を目的に追加の数値解析を実施し,短周期の成分波が減衰することで越波流量が過小となっていることを確認した.次に,解析格子間隔,数値拡散係数などの解析パラメタの影響を比較検討し,クーラン数を0.125に制限することで波高減衰が改善すること等を示した.その結果,越波流量の数値解析結果は,実験結果に基づき提案した推定式に近い値を示す傾向が得られた.