2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17181
消波護岸越波のシミュレーションの消波ブロックのモデル化には,ポーラスモデルが広く用いられてきた.従来モデルでは透水域全域に一様に半経験的な実験定数を与える流体抵抗の評価がされるため,ブロック内部の局所流速が考慮されず,特にブロック内部の複雑流が顕著となる砕波下において再現性が低下する.そこで本研究では,消波ブロック領域の局所流の複雑性を再現するために,ブロック群による遮蔽域と空隙流路の存在を陽に記述した新しい透水境界モデルを構築し,砕波の再現性に長じた粒子法に組み込んだシミュレーションを実施する.消波ブロック護岸越波のシミュレーションを実施して,越波流量の再現性を確認するとともに,砕石間隙への浸透過程のシミュレーションを通じて,本モデルの幅広い適用性を確認した.