2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17182
本研究では,消波ブロック被覆堤を対象とし,消波ブロックの空隙率の違いと消波工の断面変形による越波と反射への影響について,不規則波(周期4ケース,波高5または6ケース)を用いて検討した.2種類の空隙率の異なる消波ブロックを用い,初期断面と変形断面(1ケース)を設定して,水理模型実験と数値波動水路による計算を行い,空隙率および断面変形と越波流量,反射率の関係を定量的に評価した.消波工の変形断面には,天端の沈下と前のり面勾配の変化をモデル化したものを用いている.結果として,全体的に空隙率が大きいブロックで越波流量は減少し,反射率は小さくなる傾向がみられた.加えて,断面変形が生じることで越波流量は増加,反射率は減少し,越波流量では空隙率による差異が初期断面よりも小さくなることがわかった.