2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17201
護岸や岸壁等の港湾施設の背後地盤において,裏埋砂の吸い出しによる空洞形成及び陥没が全国的な問題となっており,吸い出し被害を未然に防止するためには,舗装直下地盤の空洞を早期に探知する必要がある.本研究では,コンクリート及びアスファルト舗装の種類や層厚が地中レーダーの空洞探知精度に及ぼす影響を検討することを目的とし,実大規模の模型実験を行った.その結果,舗装の種類や層厚は,地中レーダーの空洞可探深度に大きく影響し,舗装の種類や層厚によっては地表から1m以深で空洞が形成発達した際,その時点の測定では空洞の探知が困難になることが分かった.そして,吸い出しがまだ生じていない又は進んでいない時点の地中レーダー探査結果との比較を通じて,吸い出しによる空洞の発達深度を早期に評価同定しうることを明らかにした.