2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17231
近年,国際的な地球温暖化対策が推進される中で,二酸化炭素の吸収源としてブルーカーボンが注目されている.海草・海藻によって吸収される二酸化炭素量を明らかにする方法はいくつか提案されているが,本研究ではDIC方程式を用いた手法を提案する.過去の研究において,北海道・コムケ湖の多年生のアマモZostera marinaを用いた室内実験から方程式のパラメータ値が推定されていたが,新たにデータを加えて推定し直した。その結果,呼吸による炭素の排出量は水温に大きく影響されない可能性が示された.また、新たに得られたパラメータ値を用いて一年間の二酸化炭素吸収量を推定し,現存量と比較したところ,良好な結果が得られた.さらに,ボックスモデルを用いてコムケ湖内のDICの変化を推定したところ,実質的なアマモによる炭素の吸収量を評価することができた.