2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17271
苫小牧港では港内擾乱時にタグボートでフェリーを岸壁に押し付け,荷役機能を確保している.タグボート年間利用回数とPDO指数に有意な正の相関が認められたため,PDOとともにNPGO,AOの各指数と波浪の相関性等を調べた.対象期間は1980~2019年とした.その結果,①年最大波パワー値との有意な正の相関が1999年以前でAO指数,2000年以降でPDO指数について得られた.その要因として1980年当初のPDO指数とAO指数の強い負の相関関係が徐々に弱まってきていることが考えられる.②北海道周辺への台風の北上割合が増加し,100kW/m以上の年最大波パワー値出現率が2000年以降,それ以前の約2倍になった.③港内擾乱の年間発生率とタグボート年間利用回数は正の相関を示した.