2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18074
浚渫土固化体は,浚渫土に製鋼スラグと高炉スラグ微粉末や高炉セメントを混練して強度を増進し,港湾工事用ブロックや人工石として利用する,浚渫土の有効利用技術の一つである.昨今では,漁業者ニーズや脱炭素ニーズにより,セメントレスな固化体技術が求められることが多いが,その場合には,浚渫土配合率を低減させ,結合剤配合率を高める必要があるためコスト高になるという課題があった.本稿では,浚渫土を富配合とした場合の強度低減の要因を検討し,消石灰をアルカリ刺激剤として添加することによって,上記の課題を解決できることを示している.加えて,浚渫土配合率を変化させた5種類の配合で実規模の浚渫土固化体人工石を製作し,品質管理を行った結果について報告する.