土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(土木計画学)論文
国調人口と住基人口の差異が持つ政策的意義-経年的な変化に着目して-
佐藤 玄佳室岡 太一谷口 守
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20030

詳細
抄録

福島原発事故によって,周辺市町村の住民は避難を余儀なくされ,大きな人口変動が生じた.人口統計には国調人口と住基人口の 2 つが多く用いられるが,両者の間には差異が発生している.人口は都市計画の中で基礎的な指標の一つであり,その変化を追うことは復興をはじめとする様々な計画を進める上で重要である.本研究では,全国および原発事故前後の福島県全体の人口変動を 2 つの人口の差異に着目して分析した.分析の結果,事故前は県全体で住基人口が多かった傾向が,事故後は主に中核市で国調人口が住基人口を上回り,その傾向が 2020 年も続いていることが明らかになった.一方をみるだけでは把握できない 2 つの人口の差異は,福島県においては特に「望郷指数」としてとらえることもでき,人口減少下における計画策定などへの展開が期待される.

著者関連情報
© 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top