2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20034
近年,持続可能な都市計画においてウォーカブルなまちづくりが注目されている.本研究の対象である苫小牧市では中心市街地の空洞化などの課題を抱えており,苫小牧駅南口をウォーカブルな人中心の空間へ転換することを目指し,中心市街地の再生が期待されている.しかしながら,苫小牧市では 2009 年以降 PT 調査が実施されておらず,最新の人流データが存在しない.そこで本研究では,デジタル化の進展に伴い開発された高粒度人流データを用いて徒歩移動ネットワークグラフを作成し,モジュラリティ指標などを活用して徒歩圏クラスターの拠点性を把握した.その結果,モジュラリティ指標を用いたネットワークハブ評価に関する手法に有用性が確認され,苫小牧駅南口を拠点としたネットワークハブ形成に向けた知見を得られた.