2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20060
本研究では,2018年から2023年までの期間における地方都市の29のMaaS事例を整理し,それらの実施状況を総括し,導入の効果を統合した.その結果,地方都市のMaaS事例の九割が有料の実証実験であり,すべての事例で産業界が参加していることが分かった.一方で,MaaSの事例の中でのサブスクリプション機能の導入率は比較的低く,複数の交通手段の統合は実現されていないことが分かった.最後に,MaaS導入により,実験参加者の公共交通利用が約32%増加し,外出頻度が約45%増加したこと,また,MaaSに対する満足度が高いと評価した実験参加者は約79%を占めることが分かった.