2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20061
災害時の避難方法は原則徒歩とされているが,東日本大震災で半数以上の避難者が自動車を使用したことで,自動車を活用した避難が検討されている.一方で自動車避難は渋滞発生の危険性があるため,一時的な交通容量の拡大が必要である.交通容量拡大の施策としてコントラフローがある.海外では,ハリケーン発生時に適用され,コントラフローの効果が確認されたが,日本で災害時にコントラフローを適用した事例がない.そこで本研究では,宮城県亘理町を対象に,自動車避難シミュレーションを構築した.渋滞発生箇所にコントラフローを適用し,その対策効果によって,より多くの車両を浸水エリアから避難させることができることを明らかにした.また,避難シミュレーションに危険行動を組み込むことで,より現実に近いシミュレーションモデルを構築した.