2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20069
少子高齢化や人口流出といった課題を抱える地方社会にとって,居心地が良く歩きたくなるまちづくりは地域活力を取り戻す手段として大きく注目されている.合理的に「ウォーカブルなまちづくり」を行うためには,歩行者の移動データに基づいて,歩行者の行動を理解し,施策の評価を行うことが必要不可欠である.しかし,歩行者の移動軌跡調査は多大なコストがかかり,活用は限定的であった.そこで,本研究では容易に入手可能な市販GPSデータを活用して歩行経路選択モデルの構築を行い,それを用いた現況再現シミュレーションの構築を行った.実データを用いた検証を通して歩行経路が規定される要因を明らかにし,十分な再現性があるシミュレーションが可能であることを示した.