2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20124
バイパス整備による代表的な効果は旅行時間短縮だが,地域交通ネットワークとしての容量拡大や自動車専用道路化による旅行時間信頼性の向上もみられる.本研究では,令和 5 年 3 月に開通した東広島 BP を走行する車両の ETC2.0 データを用いて,旅行時間信頼性の分析を行った.東広島 BP は広島市,東広島市の都市圏をつなぐ道路ネットワークの一部を形成していることから,同区間の代替路となる高速道路区間の旅行時間を含めた旅行時間信頼性を検討した.東広島 BP の開通により,区間全体の平均旅行時間や旅行時間信頼性が向上した一方,区間毎に詳細に分割して旅行時間信頼性を観察すると,区間毎に傾向が異なることを明らかにした.さらに,代替路となる高速道路区間においても,当該路線に比べると大きくはないが,開通後の時間信頼性効果の向上を確認した.