2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20125
本研究は,交通行動の利用者異質性はいくつかの基本的な交通行動パターンの混合分布で表現可能という利用者異質性の有限性と都市間の公共交通 LOS 分布と選択結果分布の違いに着目し,交通手段選択モデルの地域間移転可能性を検証した.全国都市交通特性調査データを用いて,都市規模の異なる 52 都市に対し,潜在クラスモデルによる地域間移転可能性を検証し,多くの都市で提案モデルの地域間移転可能性が高いことを示した.また,提案モデルでの地域間移転可能性が低かった東京特別区部について,説明変数である LOS と結果変数である選択結果の分布が他都市と大きく異なることが問題であることを指摘し,それらの分布を調整することで,地域間移転可能性が実現できることを示した.